bugaihi

 最近見たアニメの中に「逃げたら一つ、進めば二つ」というセリフが出てくる。逃げたら「負けない」が手に入る。しかし進めば、進んだことによる「自信」、進んだことによる「賞賛」、進んだことによる「成果」等々が手に入るというもの。この言葉の好きな部分は「逃げる」という行為を一度肯定している部分だ。「逃げても一つは手に入るよ、でも進めば二つ手に入れられるよ、君ならどうする?」みたいな感覚。似た言葉に「やらぬ後悔よりやる後悔」というものがある。けどこれはやらないことを肯定してはくれない。「やらない選択肢はない、やるのみ」みたいな圧を感じる。

 人生は一度きり、思い切りよく、たくさんチャレンジして、経験をした方がいいことは分かっている。けど、いざ行動に移せるかどうかと聞かれたら簡単には首を縦に触れない。ビビりだし、起こってもないことに対して延々と考えを巡らせてしまう。そんなメンタルだからこそ、「逃げる」行為を肯定しつつも背中を押してくれるようなそのセリフが心に留まったのかもしれない。

 

 いきなり主題に入るのは違うと感じたので少しクッションを置いてみた。頭ではわかっているつもりなのに行動に移せないの本当に雑魚。友達にもよく言われる。エピソード0が多すぎる、思い切りが足りないって。そんな友達について少し。ね。

 今から書くのは自分たち十数人だけの部外秘ということで。それと、書く時間は最大でも一時間にしよう。あんまりだらだら書くとリアリティばかり出てきてしまっていけない。

 

 友達にAというやつがいる。Aには付き合って4年くらいになる彼女がいて、毎日幸せそうな感じ。自分はあまり彼女さんに会ったことがないけどきっといい人なのだろう。Aと4年も上手くいっているのならそれなりに心が広い人なはず。

 Aは最近口癖のように「彼女以外の女の子とご飯行きたい」と言っていた。自分の事を理解してくれて、一緒にいてくれる相手がいながらこいつは何を言っているんだと思った。ある日、「Bに電話してみるわ」と連絡がきた。BはAの元カノ。すでにドロドロしてきた。最初の電話は切られたらしいが、その後すぐにDMが来たことが喜んでいた。きっとそのDMで色々やりとりをしたのだろう。飲みの予定が立ったことを律儀に報告してきた。BはAに彼女がいることを知っていながら予定を立てているのもすごいなと思った。Aは毎回ちゃんとにDMの履歴は全て消して、名前も予測変換から消しているらしい。

 

 飲みは健全には終わらなかったらしい。お互いなぜか帰れなくなり、手を繋いで店を出て、夜の街に消えたらしい。(A談)

 

 すごい以外の言葉が見つからなかった。Aみたいなタイプがきっと人生楽しく、得して生きていけるんだろうなと思った。いつも自分が襲われている得体のしれない不安とか、きっとこれから触れ合うことはないのだろう。それはもちろん、それはそうさ。

 

 確か明日明後日で横浜泊まりデートするみたいなことを言っていた。「Bがご褒美くれるらしい」って喜んでた。泊まりってもうなにも言い訳出来なくなってしまわないか?前回はお酒の勢いで~とかなんとか言えるかもしれないが(言えない)、もうちゃんとに予約取って泊まったらそれはもうばれた場合には逃げられないのではないか。

 

 そんなバカでかいリスクを背負いながらもしっかりと楽しんでいるAは本当にすごい。尊敬のすごいではない。恐れからくるすごさだ。メンタリティや思考などはいつだって正反対なものだ。

 

 着地点が見つからないけど、時間もそろそろまずい。ただ、約4年も一緒にいる彼女さんのことを傷つけるのだけはダメだと思う。もちろん、これまでの行為やこれからの予定などは十分傷つけることに値してしまうと思うが、彼女さんはまだ知らないのだから傷ついてはいない。バレなければOK。というわけではないが、この先の事を考えるのであれば、最後の火遊びのような形で静かに終わらせるのがいいのではないだろうか。これをもし知ってしまったときの悲しみはきっと想像もつかないようなものになると思う。

 

 彼はいつだって進むという選択肢を取り続ける男なのだとこの文章を書くうえで考えてみて感じた。自分はいつだってローリスクローリターンな人間なので、リスクを取るという選択をあまりしてこなかった。けどきっとどこかの場面でリスクを取らないといけなくなってくる。そのとき自分は進めるのだろうか。急に前を向けるようになる?少しづつ練習しないと。

 

 余談だけど、毎月16日は閻魔縁日といって死者の生前の行いを閻魔大王が裁く日とされてるみたいですね。余談だよ。

 逆から読んでも余談だよ。じゃん。五・七・五じゃないよ。

 

 なんか最後の決め挨拶みたいなのほしいな。

 募集します。

 

 また逃げたくなったら来る!