長いよ、

 終業式が終わった。日数にすると一番長い2学期が終わった。始まる前はただただ長いなって気持ちだったけど、終わってしまうとあっという間だった。これは別に2学期だけに言えることではない。全部がそういうものな気がする。過ぎ去ってからその時の尊さだったり楽しさに気づくわけで。そうやって後悔を繰り返しながら生きていく。そしてそれが常に廻り続ける。そんな感覚。1週目がもう残り半分もないけど、自分はどう生きていくのだろうか。

 

    2学期の大きな行事。修学旅行。1年目からタダで沖縄行けるとかラッキーって思ってた。でも周りの先生は一回行けばもう充分ですとか言ってて、担任と副担でその負担は段違いなのかなとかも考えた。

 初日。朝4時半に起きた。学校に6時集合だから、5時半には家を出ないといけなくて、そんな時間。周りはまだ暗かった。学校に着いて、早朝特有の空気の匂いを嗅ぎながら他の先生と合流する。みんなまだまだ元気そうだ。学校から駅に向かう。たくさんのバスと多くの生徒がいた。非日常にわくわくしているようだった。ウチのクラスでも遅刻しそうな子が何人かいて、大丈夫かなと思ったけれどなんとか間に合った。安穂先生は羽田に向かうバスの中ですでに疲れていた。まだまだエピソード0ですよと声をかけておいた。笑っていた。ウチの学年は400人もいて(通常なら300人いかないほど)、集合場所や話を聞かせるだけで一苦労だ。羽田に着いてからの大所帯での移動はすごく気を遣った。全員いるかどうか、遅れている子はいないかどうか。気を張り巡らしていた。飛行機は無事に飛び立った。大きな混乱もなく。そして無事についた。大きな混乱もなく。

 那覇空港はとても暑くて、冬服の生徒たちは本当にかわいそうだ。かくいう自分もジャケットを羽織っていたが、さすがに脱いで、ワイシャツの袖をまくった。11月中旬なのに27度とかあってやってられなかった。那覇空港からバスに乗り、さっそく安穂先生の怒号(?)が響いた。那覇空港で待っているときにゲームをしている子がいたらしい。怒った後、隣でずっと後悔していた。バスガイドさんにも謝っていた。やはり怒るというのは難しいよななどと一人で頷いてしまった。初日は平和祈念公園ひめゆりの塔を巡って終わり。ホテルについてからもずっとホテル内をうろうろしていた。特に役割が振られていない時間帯でもずっとロビーなどにいた。部屋でじっとしているのはなんだかもったいない気がしてしまっていた。普段あまりしゃべらない生徒ともよく話した。他のクラスの子からは名前覚えられてないと思ってた!などと言われた。まあ、覚えていない子もいるけれども。

 

    2日目、クラス別研修。生徒がみんな思い思いの私服に身を包んでいた。最初はおきなわワールドでガラス体験をした。吹きガラスとかできると思ったら飲み口の形成だけで、拍子抜けした感じがした。お昼はキレイ目なビーチでバーベキュー。みんなご飯よりも砂浜に夢中だった。ウチのクラスは男女仲があまりよくなくて(理由は後述)、男子は男子、女子は女子で固まっていた。そこから一人の男の子が女子の集団に向けて歩き出す。男の子はそれから女子の集団に取り込まれて、すぐに一人の女の子とともに出てきた。海を背景に写真を撮る二人の姿は他の子も言っていたけど恋愛リアリティ番組みたいにキラキラしていた。太陽に照らされた海も負けじとキラキラしていたけど、若人の青春には勝てていなかった。熱いなとか女バスの子と話をしていたら、一緒にいた子が、「先生、青春クソです。」と言ってきた。今まで自分のことが嫌いなタイプだと思っていたから、話しかけられてびっくりした。思わず、「致死量の青春を浴びたよ」という謎の返ししかできなかった。

 クラス別研修の〆はカヌー。見学の子がいるから、自分やりませんと安穂先生に言われたけど、修学旅行で担任が見学なの訳わからな過ぎたから、さすがに自分が残りますと言ってカヌーに乗せた。見学者は青春クソですの子ともう一人。みんながカヌーをしている2時間半くらい、いろいろな話をした。クラスのこと、部活のこと、中学のこと。ふと気になったので、クラスの男女仲について質問をしてみた。女子曰く、クラスの男子が恋愛対象でしか見てこないのが気持ち悪いとのことだった。隠語で自分たちのことを会話しているらしく、ランキングとかつけられているんですよ!とかなりご立腹だった。友達感覚ではなく、常にそういう目線で話されていると考えると確かに辛いものもあるのかなと思った。結局、カヌーはできなかったけど、クラスのことや見学していた二人のことをよく知れた良い時間だった。

 ホテルに帰って、夕食の時間。教員でいることはなんだか自由で楽しかった。みんながご飯を食べている中を歩き回っても怒られないし、部員の席に言って、「〇〇遠慮しなくていいんだよ。もっと食べなよ。」とか「ちゃんと2週目行けよ~」とかいろいろいじるのが面白かった。

 点呼の時間。安穂先生と部屋を回っていく。青春クソですの子の部屋の番。点呼も終わったのになかなかドアを閉めようとしない。どうかした?と聞くと、同じ部屋の子がビーチで嫌いな男子に告白されたらしく愚痴を聞いてほしいとのことだった(写真を撮ってキラキラしてた子とは別)。その男の子には普段から脈ナシを伝えているのにもかかわらず、写真を撮ってくれとか付き合ってくれとか言われてもう最悪だったと悲しそうだった。点呼の時間は過ぎているから会話を普通にするわけにもいかないし、かといって無下にはできないし、と。葛藤した。結局就寝時間を20分すぎたくらいまで話をしていて、他の部屋を回り終えた安穂先生が帰ってきたのでお開きになった。本当は相手の気が済むまで話を聞いてあげたかったけどね。20分すぎたのでも大サービスだよ。ていうか自分たちの時の点呼ってあともう寝るだけの状態にしてからじゃなかったっけ。普通に風呂上りとか絶対寝ないだろこいつらみたいなやつら多くてアレだった(老害)。

 

    3日目はタクシー別研修。教員も数人でタクシーを貸し切り、生徒がいそうな場所を巡る。途中体調不良者の対応とかもあったけど、同乗していたのが大ベテランの先生だったから安心して頼っていた。体調不良者が出るのは珍しいといっていたかな。でも、初年度からそういう経験ができて良かった。夕方にはホテルのビーチで遊んだ。下っ端だから結局一番立ち仕事とかしないといけないわけで、大変だったけど、部員達から写真撮りましょーって寄ってきてくれたのはうれしかったな。普段からよくコミュニケーション取っててよかったなって。でも本当にいい子たちだから(いろんなとこで言っている)、それだけ尽くしたりやってあげたくなってしまうよね。一種の親バカみたいな感じなのかな。多分違うけど。

 

 最終日は国際通りを巡った。お昼は若手の先生グループでひとり5千円くらいするステーキを食べた。おいしかった。若手の先生も多い学年団だからその面でもとても救われている。自分は副担だから最後に国際通りの端っこから生徒を追い込み漁のように集合場所まで追い出して終了。国際通りの滞在時間短すぎるんだよな。部員とかスシロー行きました!って言ってたから、思わず「木更津?」って返しちゃった。おばさん先生は国際通りをこんな感じで回るなら首里城とか見させた方がいいって愚痴ってた。それも一理あるな。

 帰りの飛行機はみんなすごく疲れていた。起きている子あんまりいなかったんじゃないかな。自分は機内でずっと『薬屋のひとりごと』を見ていた。アマプラでダウンロードしておいたやつ。ちなみに行きの機内では『JOKER』を見ていた。羽田について、その寒さに驚く。そうそう、11月はこの気温ですよね。と現実に戻された気がした。そこから木更津駅、学校と巡って修学旅行は終わった。クラスの子たちともすごく仲良くなれたし、先生同士でも今まで以上にコミュニケーションをとることができるようになったと思う。青春クソですの女の子は学校帰ってきてからもよく恋愛の話をしたり、この前はディズニーのお土産買ってきてくれたりして完全になつかれている(言い方)。廊下で座っていたらロッカーから紙袋を出して、片手で「これあげる」といって渡してきた。「神やん!」という返ししかできなかったけど、「私優しいから」と自慢げだった。後日、部活のクリスマス会(後述)のクッキーのあまりをお返しとしてあげておいた。だいぶ喜んでいた。

 

 2年副担スタートで、次年度担任はよくある話らしいので覚悟しておかなければと思っている。きっとこのまま3年生に上がることはないかな、、?みんなと一緒に卒業まで突っ走りたかったけど、仕方ないよね。いや、勝手に言ってるだけで全然持ち上がりもあるけどね。まあ、どうなるか。残された2学年生活を楽しむよ。

 

 続いて部活のクリスマス会。ここまで夏休みにアイスを買ったり、ハロウィンに靴下あげたりと貢ぎまくっている顧問なわけですが、ここが腕の見せ所。クリスマス会です。普通ならフリースロー大会で優勝者に景品が一般的だけど、面白みがないから今回は筆記テストを作成してみた。いわば実技の部と筆記の部だね。

 実技の部であるフリースロー大会ではキャプテンが優勝した。さすがキャプテンと言わんばかりの安定性と集中力だった。でも他の子も試合以上にシュート率がよくて、いつもそれくらい入れてくれと思った。口に出した気もする。

 

 じゃああったかい格好してゼミⅣ集合ね。そう伝えて少ししてからゼミⅣに向かうと何やら声が聞こえてきた。「~後ろから入ってジングルベルは?」「~みんなで~」すべて聞き取ることはできなかったが何か計画しているようだった。「入るよー」というと「待ってください」という声。少ししてから入ると黒板に「MerryChristmas」と書かれていた。これ書いてました!と笑顔で答える部員。筆記部門なので、通常のテストみたいに雰囲気を出してみた。

「机の上は消しゴムシャーペンだけにしてください。スマホなどは使わないでください。」

「(スマホの着信音)」

「先生、〇〇のスマホがなりました!!ゼロ点で良いです!」

「不正行為やめてー、配るよー」

「(カメラのシャッター音)」

「〇〇がスマホ使ってます!!」

なんてやり取りをして試験に臨ませた。

以下内容

 

【Ⅰ】クリスマスに関する次の文章を読み、以下の問に答えなさい。

 ①クリスマスとは、文字通りキリストのミサの意で、キリストの誕生を祝う降誕祭であるが、起源元年12月25日にイエス・キリストが生まれたという確証はない。クリスマスは世俗化された形で「グローバルな祭り」となり、世界で一番好まれ、一番重視され、人類共通といえるほどの年中行事になった観さえある。②約200ヵ国のうち約150ヵ国がクリスマスを国家祝祭日に規定し、しかもその150ヵ国の中にはキリスト教国ではない国々も含まれる。また、メリークリスマスの「Merry」は【  ③  】という形容詞。クリスマスをお祭り気分でお祝いするという意味を持っている。クリスマスツリーは、旧約聖書の『創世記』に登場する「知恵の樹」の象徴とされており、冬の間も葉を落とさない④常緑樹が使われるツリーには、「永遠の命」という意味もある。

 

問1 傍線部①「クリスマス」を英語で書きなさい。(Xを使った表記は不可)

問2 傍線部②とあるが、日本はこの中に含まれている。「はい」か「いいえ」で答えなさい。

問3 空欄部③に入る最も適当な言葉を次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

ア 神聖な イ 楽しい ウ 情熱的な エ 幻想的な オ 厳かな

問4 傍線部④に関連するクリスマスツリーに使われる常緑樹として正しいものはどれか。次の中から一つ選び記号で答えなさい。

ア モミ イ カエデ ウ イチョウ エ アオダモ オ モミジ

 

【Ⅱ】顧問に関する次の各問に答えなさい。

問1 顧問のフルネームを漢字で答えなさい。

問2 副顧問のフルネームを漢字で答えなさい。

問3 顧問は志学館中・高等部の出身であるが、顧問が2年生の時、先輩である3年生の総体でつけていた番号を次の中から選び記号で答えなさい。(当時3年10人、2年9人、1年忘れた)

ア 12 イ 13 ウ 14 エ 15 オ ベンチ外

問4 顧問が現役時代ほぼ毎日飲んでいた飲み物はどれか。次の中から選び記号で答えなさい。

ア イチゴミルク イ カルピス ウ 午後の紅茶無糖 エ ミルクティー オ コーラ

 

【Ⅲ】バスケW杯に関する各問に答えなさい。

問1 この大会で日本はオリンピックへの出場権を獲得したが、次のオリンピックの開催地はどこか答えなさい。

問2 日本は一次ラウンドで三ヵ国と対戦をした。ドイツ・オーストラリア、もう一か国はどこか。次の中から選び記号で答えなさい。

(河村が大爆発、4Qだけで3Pを4本沈め、計25得点したあの試合です。)

ア アメリカ イ ポルトガル ウ イラン エ フィンランド オ スペイン

問3 順位決定戦のベネズエラ戦で4ファールながら計23得点(4Qだけで17得点)を決めた比江島慎だが、彼の所属チームとして正しいものはどれか。次の中から選び記号で答えなさい。

ア 宇都宮ブレックス イ アルバルク東京 ウ 千葉ジェッツ エ 琉球ゴールデンキングス

問4 日本代表監督の名前は「トム・〇〇」である。〇〇に入るものとして正しいものを次の中から選び記号で答えなさい。

ア ホーキンソン イ ホランド ウ ホーガン エ ホーバス オ ホズンズ

 

【Ⅳ】バスケに関する各問に〇×で答えなさい。

問1 コートは縦28m、横15mと規定されているが、この中に境界線(エンド・サイドライン)は含まれていない。

問2 ボールを持ったまま横たわったり、その勢いで滑ることは正当だが、そのままコートを転がったり、再度立ち上がったりするとトラベリングになる。

問3 ショットクロック残り8秒でAチームがフロントコートでドリブルをしているときに、Bチームからファールを受けた。この場合ショットクロックは14秒で再開される。

問4 テクニカルファウルが宣せられた場合、他のファウルによって適用される罰則の順序にとらわれることなく、罰則(2ショット等)の途中であったとしてもそれらにかかわらず直ちテクニカルファウルの罰則であるワンショットが行われる。

問5 誤ったシューターがフリースローを打ったことに、2本目のシュートが成功した後に審判が気づいた場合、2本のフリースローは取り消され、相手チームのスローインで再開する。

 

【Ⅴ】

 新チームでの約6か月はみんなにとってどんなものだったでしょうか。

①良かった点と②まだまだ頑張れた点/これからどうしていきたいかの2点(3点)について自由に書いてください。

 

 正答率は高くて8割いかないくらいだった。みんなああでもないこうでもないといいながら解いていた。オリンピック開催地を沖縄県と答えるやつがいたり、クリスマスを英語で書く問題は黒板に書いてありましたと嬉しそうに言う子など様々だった。

 丸付けするから外練行きなさいと伝えて、マネと見学の子と3人で準備や飾りつけをした。結果発表をして、全員に靴下をあげて、成績上位者にはオプションのプレゼントもあげた。渡し終えると、写真撮ろう!といってみんなが部屋から出て行ってしまった。クリスマスグッズでも取ってくるのかなと思って待っていたら、みんながジングルベルをうたいながら部屋に入ってきた。その手にはなにやらラッピングされた袋があった。

「先生!私たちからもプレゼントです!みんなでアウトレットで選びました!!」

 自分は驚きや喜びを表現するのが本当に下手くそなタイプで、もっと上手に喜べるようになりたいと常日頃から思っている。多分ありきたりな驚き方をして、わけもわからず土下座しようとしていた。みんなにそれは止められたけど、嬉しくてよくわからなかった。普段指導している甲斐があるなと、この瞬間のために日頃の苦痛を乗り越えているといっても過言ではないかもね。みんなで写真を撮って、終わり。2年生が良い子たちなのはもちろんのこと、1年生ももっともっと良くなるはずだから、先輩の背中を追いかけていってほしいな。本当にいい子たちです。いろんなところで言っているけど、それだけいい子たちなんだもん仕方ない。まだまだたくさん練習して、試合で勝とうね。

 

 長くなりましたが2学期の一大イベントと嬉しかった思い出について書いてみた。結構充実してた気がするなあ。あっという間だった。多分年末に振り返りレポを書くつもり。1週目が終わりを迎えるとき、自分はどんな気持ちで何を考えているんだろうか。まだまだ経験してない苦労とか困難は山ほどあるんだろうけど、それをどうにか乗り越えられる強さとメンタリティを手に入れたい。いま、部員達がしていること、頑張っていることが後輩たちに繋がって、さらにその後輩に繋がって繋がって繋がって、ずっと平和な部活になればいいなと今は思うばかり。

 もっともっとよりよい毎日になるために、少しずつ歩いていく所存です。

 明日はクリスマスだね。みんなに幸が降りかからんことを。

 

 またね。